納棺時のお化粧(メイク)

葬祭部 伊藤です。

入職5か月目になりました。

納棺時のお化粧は、通常の女性が行うものとは違います。以前は「死化粧」と呼ばれていましたが、現在は「エンゼルメイク」とも呼ばれています。男性も女性も生前のお顔に近づけることで、ご遺族様にとって安心して旅立ちを見送れるようにという意味もあります。

私は、故人様の生前にお会いしたことはありません。特に女性の場合は、故人様がどのようなメイクが好きだったとか、口紅や眉はどんな感じがその方のイメージなのかをご家族様にお尋ね致します。ご家族様から「口紅は薄いのをよくしてたわ」とか「眉はこまめにお手入れしてたのよ」など、お元気な頃のお話をお聞きしながらメイクをして、少しでも生前のご様子に近づけます。男性も、顔そりやドライシャンプーで髪型を整えながら、「ええ顔になったなあ」と安心していただけるように努めております。

また、メイクをさせて頂く時に一番大事にしているのは、メイクをする前に、ご家族様にお顔に触れる事をお勧めしている事です。メイクをしてしまうと、お顔に触れることができなくなるので、お顔に触れる本当に最後のタイミングとなります。例えば、故人様がお母様で喪主様が息子様の場合、喪主様が小さい頃に甘えて触れた頬、素敵な思い出がよみがえる瞬間となればと思います。