妊婦とお葬式にまつわる言い伝え

葬祭部の杉上です。

「妊婦さんはお葬式に出てはいけない」と、聞いた事が有ります。
「妊婦がお葬式に出ると赤ちゃんがあの世に連れていかれる」
「妊婦は火葬場に入ってはいけない」
「妊婦はお骨を拾ってはいけない」
よく聞く言い伝えですが、これらの話は迷信で根拠はないとされています。
昔の人は妊婦が忌み事に出席するのを厳しく戒めていたそうです。死者を葬る儀式や、それにまつわる場所は、古くからけがれたものとされてきました。今でもお葬式から帰ると、玄関先で塩をまいて体を清める風習が残っている地域が有ります。
疫病などによる死者が多かった昔は、うっかり葬式に出て妊婦が感染することも有ったでしょうから、「葬式に出るな」というのは、その危険を避ける為だったとも考えられます。
また、昔の人たちは「死」そのものに対する恐れも、今よりはるかに強いものがあったのでしょう。「おなかに鏡を入れて葬式に出席すれば大丈夫」という迷信も各地にあるようです。その理由は「死者の霊魂が寂しがって、おなかの赤ちゃんを道連れにしようとするが、おなかに鏡を入れておけばそれを跳ね返してくれる」からだそうです。
こうした話を信じる人は今は少ないと思いますが、迷信を気にしてではなく親族としてお葬式に出るとなると、体に負担がかかっておなかの赤ちゃんに影響があるのでは?という心配はあると思います。具合が悪いと思ったら、早めに帰らせていただくとか、疲れたら断ってちょっと横になるなど、無理をしないようにしてくださいね。