お葬式はいらない

葬祭部の広田です。

森田石材店には社長や常務が購入された参考本がたくさんあります。私もいくつか読ませていただき参考にしているのですが、その中に『お父さん、「葬式はいらない」って言わないで』という本があり興味を惹かれ読むことにしました。

グリーフ(深い悲しみ)、エンバーミング(処置)についても書かれており、中身を全部説明すると長くなるのでこの本の題名に関係するところを取り上げると「葬儀は送られる側ではなく送る側の気持ちが大切」といった内容でした。

実はお客様の中には「子供たちに負担をかけたくないから、小さいお葬式にしてくれたらいいねん」と仰る方が少なからずいらっしゃいます。言い換えると「直葬でいい」と言っているようにも聞こえました。もちろん、直葬が悪いわけではありません。やむをえずそういった形をとられる場合もあるでしょう。

しかし葬儀とは、親や祖父母がいなくなったことを実感する空間・集まった親族たちとの話で親の新たな一面を知ることが出来る・今まで言ったことのない感謝の言葉が素直に出てくる・これからこの家の主は自分であることの責任と親戚に向けた挨拶など、こういったところにも重要な意味があります。ですので直葬の場合でも後日お別れの場を設けることが大切だと思います。

親世代はお葬式の大変さもよくよく理解しているからこそ、子供達にはその苦労をさせたくなくて「お葬式はいらない」とか「簡単でいいよ」と言ってくれているのかもしれません。ですが、もし私の母親が「お葬式はいらない」と言ってきたら「お葬式の大変さを乗り越えられないと思われているのか、ちゃんとできないと思われているのか」と考えて不機嫌になるかもしれません。ですので、その時には「送る側が考えるから大丈夫」と言おうと思います。