おいづる

葬祭部の杉上です。
「おいづる」 聞いたこと、見たことございますか?
西国三十三観音霊場を巡礼して御朱印をいただくための白衣のことです。巡礼用の白衣は古来より笈摺(おいづる)と呼ばれています。笈摺はもともと笈(宗教具を入れる箱)から着物を守るために身に着けていた白衣が由来になっています。
白衣には道中衣と判衣があり、お遍路の際に着られるのが道中衣で、判衣は着ずに納経帳と同じように御宝印をいただき、死出の衣装とされています。
先日、ご納棺のお手伝いをさせていただいた時に、白衣を一緒に納棺してほしいと出してこられました。箱の中にきちんと仕舞われていた白衣を預かり広げたところ…1万円札がヒラリと…私の足元に落ちてきて、ご家族皆さんびっくり!
おばあちゃんのヘソクリだったのか、また巡礼に行かれる際の旅費だったのかは分かりませんが、おばあちゃんからご家族へのサプライズとなりました。
ご納棺の最後に、御宝印を押された「おいづる」をかけさせていただき、笑いあり、涙ありのひと時でした。