泣き女とご供養

「泣き女(なきめ)」という職業をご存知でしょうか?
別名「泣き屋」とも言い、その名の通り泣くことが仕事で、韓国を中心にアジア圏で見られる職業だそうです。

大切な人との別れは悲しいもので、お別れの場で泣かれる方を沢山見て来ました。溢れてくる涙は、故人様との思い出を懐かしんだり、別れを惜しんだり、もしかしたら後悔したり…。と自然に出てくるものです。
しかし、この「泣き屋」は当家と同じように悲しさや寂しさから溢れる涙ではありません。お葬儀のお別れの際に”泣いてもらうため”に、当家が雇うのだそうです。では何故、そんな事をするのでしょうか?

どうやら儒教の教えではお葬儀の際に泣く人が多いほうが、徳が高くなり良いご供養ができるとされていたそうです。その考えから当家は泣き屋を雇うようになったのですね。
韓国や中国ではこの泣き女という職業、一般的なものだそうです。日本では、静かに死を悼むという傾向の方が多いためか一般的な職業にはならなかったようです。私もまだ、泣き女という職業の方を見たことがありません。自然に出る涙だからこそ、良いご供養が出来るような気がしますが色々な考えがあるものですね。