お母さんに贈る最後のおにぎり

葬祭部の義積です。

私の学生時代の昼食は、いつも母お手製のお弁当でした。そして運動会や遠足のお弁当にはいつも俵型のおにぎりに海苔が巻かれ、このおにぎりは、すごく嬉しいものでした。具も無い何のへんてつもないおにぎりでしたが、母が作ってくれたものだから特別に感じたのかもしれません。

その故人様は、四人のお母様でした。お子様はみな成人されていて、お孫様もいらっしゃいます。それでも子育ての時代には楽しいことことばかりではなく、苦労もあったのではないかと思います。そこで葬儀日の朝に、お子様方におにぎりを作ってきていただきました。そしてお別れの時間に、皆様の手でお棺に納めていただきました。小さなおにぎりは、お母様のお手元に置かれました。たくさんの思い出と、最後の贈り物をもってお母様は旅立たれました