エンゼルケア

葬祭部の杉上です。

病院などでお亡くなりになった後の処置を「エンゼルケア」と言います。「エンゼルケア」の一般的な内容は、「医療器具を外した後の手当」「治療でできた傷の手当」「体の清拭」「鼻、口、耳への脱脂綿詰め」「着替え」「死化粧」などが行われます。
私たちも納棺前に、着替えと死化粧をさせて頂きます。病院で綺麗にして帰られていても、パジャマや寝間着で帰られた場合には、旅立ちに選ばれた着物やスーツに着替えをします。そして、頬が痩せておられる方や、入れ歯が合わない方などは含み綿を施し、元気な頃のお顔に近づけます。私は、元気な頃のお顔に近づけることが、とても大切なことだと思っています。
長い闘病の末にお亡くなりになると、元気だった頃の姿から大きく変化していることも多く、その姿は家族に深い悲しみを与えます。そして人生最後の姿を美しく整えることは、故人の尊厳を守ることにもなり、ご家族の方の心のケアにも繋がります。
お化粧をする場合には、生きている方と同じように保湿をしてから肌色を整えます。男性の方も顔色によってはお化粧します。先日、お化粧をさせて頂いたご家族の方は、息子さんが綺麗になったと、携帯で写真を撮られていました。苦しみのない穏やかな顔は写真に撮ることもできます。