お葬式の書類

葬祭部の横田です。
お葬式をしようと思うと、書類があれこれでてきて、「どれがどの書類なのよ・・・」っていう事。ままありますよね。
たくさんの書類を抱えるのも大変だし、何の書類か分からずどこかへ行ってしまっては困るので、弊社でお葬儀の依頼をされた方には、書類箱をご用意いたしております。
死後のいろいろな手続きで大事な書類は、「死亡診断書/死体検案書」「火葬許可書」です。
死亡診断書もしくは死体検案書は、「いつ誰がどこで亡くなったか」を証明をする書類です。これが無ければ私たち葬儀社は、ご遺体に触れる事ができません。葬儀社でなくたって、死亡診断が出るまでは遺体に触れてしまうと「誰かが何らかの手段で人を殺して証拠隠滅したのではないか…?」という調査が入り、濡れ衣だとしても証拠が無ければ疑われる事もあります。
身内でなくとも病院以外で目の前で誰かが亡くなった場合は気が動転してしまいますが、まずは落ち着きましょう。
その他、この書類の使い道として、身内の方は、保険の資格喪失手続きや、相続手続き、免許証の返納手続きなどいろいろな場面で必要になります。死亡証明は住民票の除票でも構いませんが、死後5年を経つと発行手続きがややこしくなる場合があるので、身内が亡くなって今後必要になりそうなら、取得しておいたほうがいいでしょう。
火葬許可書は、市町村長から「この方のご遺体はここの斎場で火葬してもいいよー。」という許可が降りている事を証明する書類です。
ちなみに、この書類が無い・・・または書類があったとしても火葬許可書に市町村長の印が無いと、市町村長から許可が降りていない事になるので、そのまま火葬をするのは違法になってしまいます。斎場に到着後、「書類がない!」とか「印が無い!」なると、斎場で立ち往生することになってしまいます・・・。
最近は押し忘れが無いように印刷になっている自治体もあるようですね。
火葬許可書と一緒に発行される斎場使用許可書は「火葬をする目的で斎場をつかってもいいよー。」というだけの書類なので、斎場での火葬から収骨までが無事に終わってしまえば、その後特に必要になる書類ではありません。
ただ、火葬許可書は火葬後の骨壷に入ったお骨が、「どこの誰のお骨か」を証明する書類です。お墓に納める時に墓地管理者から提示または提出を求められる場合があります。斎場で火葬時刻が記入され、斎場管理者の印が押されると、「この方を火葬しました。」ということを証明する書類になり、墓地管理者もどういう経緯で来た誰の遺骨を管理しているのか知りたいので、火葬許可書が必要になってきます。
紛失した場合は、役所で火葬許可書と斎場で火葬証明書を発行します。
火葬許可書は火葬を許可した証明書で、斎場の職員が火葬時刻の記入と押印をすることで火葬をした証明書としても機能します。
しかし、役所で再発行された火葬許可書は、火葬時刻の記入がないので、火葬をした事は証明できません。なので斎場で「火葬をしましたよー」という証明の火葬証明書をもらうことになります。
ただこのお話も墓地の管理者によって曖昧な部分もあるので、納骨される際は墓地の管理者に何の書類が必要か確認するとよいでしょう。
ちなみに遺骨は遺体として扱われるので、分骨して自宅保管する場合は何かあった時にその遺骨が事件性のあるものではないかと疑われる事があります。もし手元供養などで、遺骨をいくつものお骨壷に分けるのであれば、斎場で分骨証明書を発行して、お骨の身元を明らかにしておくと、有事の際困りません。
お身内の方が亡くなった途端にあれこれ慣れない書類や手続きに追われて大変ですが、ひとつひとつ整理していけるといいですね。